冬のニドムを訪ねて

巨匠バーンスタインのお気に入り

 そしてこの教会をいっそう有名にしたのは、クラシック音楽界の巨匠、レナード・バーンスタイン(1918-2000)だ。指揮者、作曲家、ピアニストとして主にアメリカで活躍し、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の桂冠指揮者、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の指揮者などを務め、晩年ニドムを訪れた彼は、ここをたいそう気に入り、ニドムを讚える歌“Biginning of Hymn to NIDOM”を作曲した。
 作曲家としては、クラシックにとどまらず、多くの人に愛されたミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」「ピーターパン」をはじめ、映画音楽、ジャズとあらゆるジャンルで活躍したのは私たちの記憶にも新しい。

 

バーンステインのピアノ

 

 礼拝堂に置かれたウィーン生まれの銘器、高級車ベンツが軽く買えるというベーゼンドルファーのピアノ。ここで弾きながら静かな時を過ごしたに違いない。私たちが訪れたとき、他に誰もいなく贅沢なほどその雰囲気を独り占めさせてもらうという幸運に恵まれた。オフシーズンならではの味わいである。