街路樹の話

一貫性のある管理と利点

 ひとたび制限された空間に街路樹を植栽すると、自然放置することは出来ないことは明らかです。一定の期間を経た樹木の剪定は欠かせませんが樹種や周辺の環境によって適性とされる管理のサイクル、度合いが決められていると思います。しかし時の行政の方針や周辺住民の運動、陳情などによってそれがめまぐるしく変わることがあり、結果的に樹形が乱れたり無惨な形になることがあります。実際の剪定作業の場合、幹の太さ(幹周寸法)によって作業費が決められているためメンテナンスを怠っていた樹木の作業実費は予算をオーバーしてしまうという問題もあります。
 プラタナスやポプラなどは成長が非常に早く目標の景観づくりを達成しやすい反面メンテナンスに多額の費用がかかる欠点があります。このことは一般家庭における生け垣を考えるとよくわかります。安価で成長がよく病害虫に強いニオイヒバを植えると後々一定の高さや形を保つため頻繁に刈り込みしなければならなくなります。かといって緩慢な成長をするイチイやコノテガシワ(コノテヒバ)では目隠し高価を発揮するまで時間がかかりすぎます。どちらも一長一短がありジレンマを感じる代表例でしょう。


 そうしたことを意識してその場所に応じた樹種の剪定、管理のサイクルを決め、遂行していかなければなりません。植栽すペースが十分に確保できなかったり、日照などの環境に明らかに悪影響を及ぼす場合は街路樹の植栽位置を変更したり植栽自体をあきらめなければならないと思います。そしてそうした基準をある程度公開し地域住民に説明し多くの理解を得ておく方が得策ではないでしょうか。
 もうひとつ大切なことは、樹木の特性を利用することです。樹高や枝を常に切りつめていると根が必要以上に張らせず幹の太りも抑制できます。このことは当社にて成長の早いカラマツで実験した結果ですので例外があるかもしれませんが、植物の立場に立って考えるわかります。地上部がコンパクトになっているとそれを支えるための根は少なく幹も細くて済みます。樹冠を切る(抑える)とかえって太るのではと考えがちですが、そうではありません。樹高と太さの相対的関係でそうみえるのであって、自然に伸ばしたほうが物理的、生理的に自分を支えるため幹が太る傾向にあります。人間と違って無意味なことをしません。したがって地上部の容量を抑制する定期的な剪定によって街路樹としての役割を果たす期間を延ばす効果があるのではないでしょうか。

 

撤去後撤去前

訳あって適正な剪定ができなかったため日照、沿線への根の侵入などが問題になり撤去せざるを得なくなった例