緑化樹の需給難易度

 緑化樹木が全般的に不足している現状において、需給バランスを知ることは高品質なものを効率よく供給するためにも重要である。従来、樹種別にみた供給難易については、業界において日常的な実務経験、様々な関連情報の収集によって判断されている。したがって、それが定性的かつ相対的であるばかりでなく、戦略的な情報に影響を受ける可能性も否定できない。そこでこうした不確定的な要素をできるだけ取り除き、供給の難易について定量的かつ客観的な表現が可能かどうかを考察する。

数値化する目的について

 緑化樹木において需要者のニ−ズに答えるためには、単なる生産者としてではなく流通の最終段階を受け持つ供給者として次のようなことが要求される。
(1)需要者の希望に適した質の良い樹木を、迅速かつ確実に供給する。
(2)現状を踏まえたうえに今後の供給状況を予測し、需要者にたいして説得力ある 情報を提供する。
(3)需要者が設計・企画する際に必要とする樹木の特性、適合する樹種などの周辺 知識を持ち、協力・サポートできる体制をもつ。
(4)在来種を含む利用価値のある樹種について、宣伝活動など積極的な販売促進を行なう。
 このうち(2)に関連し、次のような問題がある。[ ]内にはその原因のひとつを示した。
(ア)ある樹種が不足したために供給が難しくなり、需要者側にそうした主旨の情報を提供した結果、その後極端に需要が落ち込んで逆に供給過剰となった。[需給関係についての定量的デ−タと情報が不足している]
(イ)需要者が在庫表などをもとに設計したにもかかわらず、その後品薄のため設計変更した。[需給についての動的デ−タ、供給者との情報交換不足]
(ウ)品薄感から生産者価格が暴騰したため、それに伴って設計価格が上昇し予算上の理由から需要が落ち込んだ。
 こうした諸問題の解決に、多少なりとも寄与できるデ−タの作成方法について考察 することを目的とし、今後の需給動向を知るための手掛かりになればと考える。

本題にはいるにあたり次の点に留意した。
(1)定量化を困難にしている(イ)(ロ)などの理由から、相応の仮説をたててデ−タを処理する必要がある。
(イ)定量的に表わすために必要な信頼度の高いデ−タが少ない。
 1)需要量については、特に民需関係、道外への移出量について予測できないため総需要(使用)計画数量の把握が難しい。
 2)供給量については、末端の生産状況、山取り品の供給可能量、道外からの移入量が予測できないため、総供給数量の把握が難しい。
(ロ)供給の難易を示す基準がない。
(2)(1)によって得られるデ−タが実際的であるかを検証する必要がある。
(3)(2)によって満足のいく結果が得られた場合、需給の変化に対応した予測を行ない、必要な供給デ−タを提供する。