コニファーに限らずほかの外来植物(樹木、草花)もそうですが、特に園芸品種の場合、園芸品種名のみで売られていることが多いのです。たとえば、「ブルーカーペット」とか「ホープシー」、「エレガンティッシマ」のようにです。
こうした表現は、知っているもの同士の場合は簡便でよいのですが、そうでない人には理解の妨げになっています。先ほどの園芸品種をみると
(1)フルネーム(学名付き)で表すと、おおよその性質(耐寒性を含む)や姿が想像できる。
Juniperus squamata 'Blue Carpet'(日本語表記:ユニペルス スクアマタ「ブルーカーペット」)
これは、ハイビャクシンに近い仲間で地面を這うタイプですね。積雪が少ないところでも雪に覆われるし寒さにも強そうかな。
Juniperus squamata 'Blue Carpet'
Picea pungens 'Hoopsii'(日本語表記:ピケア プンゲンス「ホープシー」)
プンゲンストウヒの園芸品種だと心配ないですね。それにしてもいい色です。
(2)園芸品種名だけでは種類が特定できないことがある。
Thuja orientalis 'Elegantissima'(日本語表記:ツヤ オリエンタリス「エレガンティッシマ」)
コノテヒバの仲間なので北海道でも寒さの厳しい地域では大変そうですね。
Taxus baccata 'Elegantissima'(日本語表記:タクスス バッカータ「エレガンティッシマ」)
ヨーロッパイチイの仲間なので上のコノテヒバより弱そう。
Cornus alba 'Elegantissima'(日本語表記:コルヌス アルバ「エレガンティッシマ」)
シラタマミズキ(広葉樹)の園芸品種なので寒さにはかなり強そう。
このほか 'Elegantissima'(「エレガンティッシマ」)を冠した植物はたくさんあります。
実物をみればどの種類の「エレガンティッシマ」なのか判別できますが、園芸品種名だけでいわれると困りますね。(1)(2)のように、いずれにしてもフルネームを意識していると性質を推定したり種類を特定する場合には大変便利なのです。