はじめに

生産、販売の現状

 その大半は道外(本州など)で、それも近年になって諸外国から導入したものがほとんどです。一般的に、これらコニファーの園芸品種を生産している欧米の気候と比べ、本州などは夏は暑く、冬は暖かいか同じくらいの気温ですから、耐暑性は別として耐寒性についてはあまり考慮しなくてもよいのです。
 しかし、これらを道内に持ち込むとなると話は別です。残念ながらこうした知識や認識に乏しい販売業者がいて消費者に損害を与えているケースがあります。

(1)それぞれの種類特有の性質(耐寒性、耐凍性など越冬に関する耐性)がもともと道内の気候に適さない。

 このような種類の場合は、かなり厳重な防寒対策が必要になります。ただし耐寒性に極端に乏しい種類では屋外での越冬は困難です。購入前にある程度の「目安」を知っておかなければなりません。この「目安」については次の章でお話しします。

(2)越冬に関する耐性はあるが、気候的(道外で)、環境的(ビニールハウスなどで)に過保護に育っているため道内の気候に慣れていない。

 販売されている苗木のほとんどは道内で養生することなく本州から直接持ち込んで販売されているのが現状です。従って越冬に不安のある種類の場合は風当たりなど周辺環境に問題のないところに植え、購入した初年度は、防寒対策を施し、数年間のうちに保護を少しずつ軽微にしていって慣らすようにしましょう。またあまり樹高(背丈)の高いものは避けたほうがよいでしょう。とくに最深雪高さを超えるものの購入は慎重に。