はじめに

コニファーとは

 最近になってよく耳にする言葉ですが、本来はラテン語の形容詞 conifer(コニフェル:球果のある)を語源とする英語の conifer(コニファー:針葉樹)のことをいいます。日本では非常に狭い意味で使われていて自然界にある基本種から偶然生まれたり、人工的に交配された特殊な性質、形状をもつ針葉樹を指していますが、なかには「アカエゾマツはコニファーじゃない。」とか「コニファーとは欧米の針葉樹のことです。」などと平気で言っている人もいて、さすがにここまでくると閉口してしまいます。欧米では針葉樹全体と区別するときには、このような特殊な針葉樹を、 ornamental conifer(オーナメンタル・コニファー)と呼んでいます。

grauca spruce

 日本人特有の勝手な解釈は困ったものですが、コニファーという言葉の響きにそれだけ強烈な印象を受けたことは確かです。ところで欧米では針葉樹に関して数え切れない程の園芸品種があるにもかかわらず、日本で作出されたものはそう多くはありません。それには文化的な側面もあるようです。

conica

 ここでは、言葉の定義を云々するつもりはないのでそのくらいにしておきますが、昨今のガーデニングなどに利用されているコニファーが、北海道で順調に育つのだろうかと心配されている方も多いかと思います。実際に市販されているなかには首を傾げたくなるような種類もあり、問題になっています。