今年(2007 年)の8月は全国的に猛暑が続きました。特にお盆の15日には埼玉県の熊谷と岐阜県の多治見で最高気温40.9度となり、73年前の国内最高記録(山形市:40.8度)を更新。北海道でも35度近い暑さに街の家電店から扇風機が姿を消すという事態になったのです。
ところが16日になると本州の猛暑をよそに北海道では時刻とともに気温が下がり、夜半には前日より10〜15度も低い気温となりました。その日の最高気温は夜中の0時という珍現象が起きたのです。
これはシベリヤからの冷涼な移動性高気圧が本道上空に入り込み猛暑をもたらした南の高気圧を押し戻したためで、両者が衝突してできた停滞前線を東北地方南部まで南下させました。したがって17日は終日気温20度にもならず寒くて掛け布団が必要なくらいの日となりました。
1:温暖な太平洋高気圧 2:冷涼なオホーツク海高気圧
3:大陸からの冷涼な移動性高気圧 4:大陸からの温暖な移動性高気圧
ここまで極端な例は別としても北海道の夏は冷涼な高気圧と猛暑をもたらす高気圧の狭間に位置するため、植物にも多大な影響を及ぼし生育期にある農作物の被害は深刻です。6月は30度を超す猛暑、7月は記録的な小雨となったため春咲き花木のシダレカイドウが8月に狂い咲きするという現象がみられました。秋遅くに暖かい日が続きこのようなことがよくありますが「真夏に開花」は私の知る限りでは初めてです。
このような天候異変が続くと樹木の場合、草花と異なり地上部がそのまま越冬しなければならないので様々な傷害がでる可能性があるので注意深く見守らなければなりません。